壇蜜人気は女性にも? ビッチが女性に支持される理由

暮らし

2012/11/15

 福山雅治やみうらじゅんをはじめ、いま、数多くの男性たちから熱烈な支持を受けている檀蜜。現在公開中の映画『私の奴隷になりなさい』の舞台挨拶では、「さっきまで履いていた」という下着を会場に投げこみ、テレビでもきわどいエロトークを連発。まさしく“新エロリスト”の称号にふさわしい活躍ぶりだ。

 黒髪のロングヘアやていねいな口調からは、控えめで古風な女性にも感じられる彼女。しかし、過去の過激な経験についてもあまり隠すそぶりも見せずに語る姿には、性の求道者として名を馳せた80年代を代表するAV女優・黒木香を思い出す人も多いはず。檀蜜を“新しいタイプのビッチ”として捉える人もいるが、じつは一世を風靡した、文化の匂いや古風さが売りの古典的な“知性派ビッチ”の継承者といえるかもしれない。

 しかし、現在はビッチのスタイルも多種多様。豹柄に網タイツ、ニーハイブーツにホットパンツといったステレオタイプなビッチ像からかけ離れた、“ニュービッチ”が増殖しているというのだ。

 そんな現状を鋭く分析・考察しているのが、『ビッチの触り方』(湯山玲子:著、ひなきみわ:イラスト/飛鳥新社)。本書によれば、ビッチにはさまざまなタイプが存在するのだという。たとえば、「あくまで自分の興味や性欲ありきの快楽追求」「恋愛という精神性や、つきあうという関係性の絆とは別個のものという考え方」であるのが、“自立系ビッチ”。著者が出会った自立系ビッチの女性は、小太りでショートカット、そしてノーメイク。さらには全身を無印良品で装ったエコ系カジュアルで、会話も非常にクレバー。性的な記号はひとつも見当たらなかったそうだ。それもこれも「表向きは良識ある普通の女性の出で立ちでカモフラージュしようという防衛本能」が働いているためだとか。見た目では到底ビッチか否かは判断できそうにないだろう。

 また、運命の赤い糸を信じ、燃えるような恋愛を志向するがあまり、恋愛感情が落ち着くと関係を解消、新たな恋愛に突き進んでいく“恋愛狂ビッチ”や、他人に必要とされることで満足を得ようとする“自己承認欲求系ビッチ”など、結果としてビッチになってしまっている例も多いらしい。

 さらに本書では、イラスト入りの「ビッチ図鑑」も収録。アーティストの妻やアイドルを目指す“文化系ビッチ”や、ネットで別人格となりセクシーな写真をアップしては男性からのレスを楽しむ“バーチャル・ビッチ”といったいかにもなビッチ群から、「草食系男子のさらに下位を装って男からの攻めを誘発する」という“森ガール・ビッチ”、誰かに見られたい欲求が強い“路面カフェ・ビッチ”のように、もはやどのように見分ければいいのかわからない新ビッチの生態がてんこ盛りだ。

 ビッチという言葉は、もともとは「メス犬」という意味で女性に対する蔑称。とくに日本では「あばずれ」「やりまん」「尻軽」など性的に奔放なニュアンスで使われることが多い。しかし、男性の性欲は“性(さが)”として扱われ、女性のそれは蔑まされる……というのはいかにも前時代的な話。著者も述べているように、女性だって「床上手な男と寝てみたい。聞いたこともないような、いいセックスがしたい」と考えるのは当然だ。檀蜜のように、はばかることなく自分の性欲を認める存在が人気を博す現状は、今後のさらなるビッチ増殖を予見しているのかもしれない。