「う~ん、おいちぃ~♪」 ミランダ・カーの魅力がわかる本

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更新日:2012/11/19

  2012年も、多くの女性モデルたちがテレビにそのキュートな姿を現し話題となった。
あっけらかんとしたタメ口キャラのローラは、昨年に引き続き今年もバラエティ番組に引っ張りだこ。4月からは『森田一義アワー 笑っていいとも!』にレビュラー出演している。きゃりーぱみゅぱみゅも、昨年『PONPONPON』がiTunesで世界に発信され注目を浴びると、今年はCMにバラエティ番組にとその独特のファッションで登場する機会が増えた。某缶コーヒーのCMに出演し「ブレんなよ!」のセリフでお馴染みとなった本田翼や、股下85cmという超美脚で脚光を浴びた菜々緒は、共に今年放映されたドラマで女優デビューを果たした。

 いずれ劣らぬ人気ぶりを博した彼女たちだが、ヴェールに包まれた存在として今年最も気になったモデルといえば、この人ではないだろうか?

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 「ヤバイネ、リモーネ、カモーネ、ダモーンネ、リモーネ、ソーネ、ノモーネ、リモーネ~♪」そして決めゼリフの「う~ん、おいちぃ~♪」。

 困惑ぎみの男性を尻目に陽気に歌い出す、黄色いウェイトレスの衣装に身を包んだ女性。スラリと伸びた美脚に目を奪われ、さらにはみ出しそうな胸にも注目してしまったのは私だけ? だが、このグラマラスボディの上にのった小さな顔は、青い瞳にえくぼがキュートなベイビーフェイス。今年3月から放映された某紅茶のCMに出演した彼女、ミランダ・カーである。

 ミランダはオーストラリア出身の世界で活躍するスーパーモデル。彼女のモデルとしてのキャリアは、13歳の時にティーン誌『DOLLY』のカバーガール・オーディションで優勝したことから始まった。2008年に下着ブランド「ヴィクトリアズ・シークレット」で専属契約となる「エンジェル」に選ばれ、その後モデル所得番付で10位にランクインした。また、夫はハリウッド映画『ロード・オブ・ザ・リング』や『パイレーツ・オブ・カリビアン』で有名なあのオーランド・ブルーム。彼との間には昨年第一子が誕生している。このように、彼女は仕事もプライベートも充実した押しも押されぬ世界の超セレブなのだ。

 そんな彼女が日本で出演したCMがYouTubeで流れると、他国の人には相当不評だったらしい。ミランダが日本の変なCMに出ていると話題になり、一部のメディアはキャリアの安売りと批評している。母国オーストラリアでも、女優キャリアへの可能性に何の役にも立たず恥ずかしいばかりと叩かれている。

 世界ではあのCMがこんな批判に晒されていたとはつゆ知らず、私たちはセクシーで拙い日本語が可愛らしい彼女に夢中になった。女性ファッション誌『Ray』(主婦の友社)や『CanCam』(小学館)などで表紙を飾り、バッグ・小物ブランド「サマンサタバサ」のモデルにも起用され、一躍時の人となったのだ。

 そして最近、ミランダのことをもっと知りたい人のために、こんな本や雑誌が店頭に所狭しと並んでいる。
『まるごと1冊ミランダ・カー ファッション&ビューティBOOK! GOSSIPS 別冊 2012年 03月号』(GOSSIPS特別編集:著、編/トランスメディア) と『まるごと1冊ミランダ・カー ファッションBOOK! Vol.2』(トランスメディア)。彼女のファッションはもちろん、ミランダのヘアセット・メイクアップ術や、美しさを維持するためのヘルシーレシピ、エクササイズを公開している。オーランド・ブルームとのロマンス秘話もあり。また、『ミランダ・カー ファッションスタイルブック』(マーブルブックス:編/マーブルトロン)では、彼女が好むカジュアルファッションを紹介。着回しコーデも説明してくれているから、よりお手本にしやすいのはこちらかも知れない。

 ミランダ自身が執筆している本もある。それが『TREASURE YOURSELF』(トランスメディア)。彼女が大切にしている日々の信条を語った著書である。これを読むと、一見絵に描いたように順調で華やかな彼女の人生も、決して平坦な道ではなかったことが分かる。 

 例えば、彼女がまだモデルを本当にやりたいのか迷っていた頃、仕事で2ヵ月ほど日本に滞在する機会があったらしい。その結果すっかりホームシックになって、やっぱりモデル業は自分には合わないとすっかりへこんでオーストラリアに帰ったという。なるほど、彼女も私たちと変わらない経験や思いをしながら必死に生きているんだなぁと親近感が湧く。等身大のミランダを知ることができる本だ。

 2012年、世界に遅れて日本でもようやく人気に火がついたミランダ・カー。出産を経験して子育てと仕事を両立させると彼女は、ますますその活躍の場を広げている。紅茶のCMもとても魅力的だったが、来年は世界にも認められるような活動を日本でさらに行ってくれることを期待したい。

文=佐藤来未(OfficeTi+)