【連載】産婦人科医きゅー先生の本当に伝えたいこと #01 – 超カンタンだけど、妊娠検査薬って使い方あってる?

公開日:2016/6/29

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そんな本書の中から選りすぐった情報をダイジェスト版でお送り致します。

 

 生理が来ない、妊娠したかも?そんな時に、まず使うものは、妊娠反応検査薬ですよね。妊娠検査薬の使い方は、ご存じの人も多いと思いますが、非常にシンプルです。尿をキットにつけて、検査確認線が出た状態で妊娠判定線をチェックすればいいだけ。本当にカンタン! これなら医者いらず(笑)!

 ただ、検査薬の使い方ではこの2点をどうか覚えておいてください。

1)あまりに早く使いすぎない
2)検査薬が陽性になったら、なるべく早く病院を受診すること

 今、販売されている妊娠検査薬は非常に鋭敏な反応で、実は次回生理予定日の約1週間前(妊娠3週)からうっすらと陽性になります。妊娠を心待ちにしている人はフライングで検査をしてしまいがちですが、そんなわけで、いざ病院にかかっても超音波検査で赤ちゃんの袋(胎嚢)が子宮内に見えずに、かえって不安が大きくなったり、赤ちゃんの袋が見えないまま流れてしまう、化学流産になってしまうケースも残念ながら少なくありません。

 

 さらに最近増えてきた、不妊治療を行っている場合などは、排卵誘発剤にHCGと似たホルモンを使用することが多く、妊娠していないのにキットで陽性が出てしまうことも。妊娠を心待ちにしている人には、もどかしいですが、妊娠反応検査を行う時期は、「生理予定日から1~2週間後(妊娠5~6週)」がベストだと覚えておいてください。

 そして2つ目のポイントですが、「妊娠反応が陽性」が、必ずしも「正常妊娠」とイコールではありません。妊娠反応検査は、あくまで妊娠組織から作られるホルモンをチェックしているだけ。卵管やおなかの中といった、子宮外に妊娠が成立している子宮外(異所性)妊娠や、子宮内に妊娠していたとしても、胎盤に異常がある胞状奇胎といった異常妊娠でも、妊娠検査薬は陽性となるんです。

 たまに検査薬が陽性であることに安心して、1~2カ月経ってから病院に来る人もいるのですが、早めに産婦人科外来で、正常妊娠かどうかを確認することが、実はとっても大切なんですよ!

 

<きゅー先生の伝えたいことまとめ>
フライング注意! 妊娠検査薬は、 生理予定日1~2週間後に 検査で陽性が出たら早めに産婦人科へ

 

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■書籍情報
産婦人科医きゅー先生の本当に伝えたいこと
きゅー/KADOKAWA

読者数23000人以上の人気ブログの著者による初の書籍! 「5分の外来で伝えられないことを伝えたい!」という一心からブログを始めた、現役産婦人科医によるどこよりも丁寧な妊娠&出産ガイド!


■きゅー
都内の某大学病院で働く産婦人科医。医学博士。アメブロ公認トップブロガー。「専門的な知識をとにかくわかりやすく!」をコンセプトに開設したブログが評判を呼び、現在23000人を超える読者に向け、産婦人科の知識を伝えている。