二次元の彼女に恋をして、三次元の恋は受け付けなかった… 文豪・カフカの自虐に癒される
『マンガで読む 絶望名人カフカの人生論』(平松昭子 著、頭木弘樹 監修/飛鳥新社)
朝起きたら、重い身体を引きずって職場に出勤。客に責められ、上司に怒られ、遅い時間に帰宅する。遅い夕食を済ませたら、ベッドに直行。そして翌朝また職場へ向かう。毎日この繰り返しだ。行き帰りの電車の中で人にもまれながら「何のために生きているのか」と自問自答する日々…。
窮屈極まりない毎日に、絶望に似た思いを感じている人は少なくないだろう。これは現代に生きる我々だけではないらしい。小説『変身』などで20世紀を代表する作家、フランツ・カフカも同じだった。
カフカは写真を見る限り、目が大きく鼻筋が通ったイケメン。やせ形だが長身でオシャレだったらしい。実家は高級小間物を営む金持ちで、保険局に勤める彼の勤務態度は至ってまじめ。物静かで心優しく評判のいい好青年だったとか。そんな彼は、4人の女性と入れ代わり立ち代わり交際しており、実にモテモテだ。フツーに考えたらうらやましいこと限りない。が、本人の心は荒れに荒れまくっていたようだ…。
筋金入りでネガティブな彼は、日々思いついたことを日記やメモ…