ミムラ「所有欲のあまりない私が『この絵は欲しい!』と思った理由」
毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある1冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは、映画『天国からのエール』で、地元の若者に夢を与えるため懸命に生きた仲宗根陽という人物の妻役を演じたミムラさん。一途な生き方をする人にとても惹かれるという彼女が、最近特に注目している画家について話してくれた。
ミムラさんは子どもの頃から絵を描くのが好きだった。
「誰かに絵を描いて見せて、喜んでもらうとう無性にうれしかったんです」
そんな経験もあり、今でも美術には高い関心を持っているが、最近知った画家・田中一村の場合は、絵画だけでなく、自分の絵を追い求めた生き方そのものにも心惹かれたという。
「私はあまり所有欲がないのですけど、一村の絵は自分の部屋にも飾りたいぐらい、好きなんです。一村は時期ごとに作風が全く異なる。きっと、その時々の自分を信じて絵を描いていたんでしょうね。存命中は評価されませんでしたが、それでも『心のままに描く楽しさ』を優先した人だったように思えます。そんな人の絵だから、これほど惹かれるのでしょう」
(取材…