乙女思考がせつなさを生む「乙女男子BL」が人気
『花とゆめ』(白泉社)で連載された菅野文の『オトメン(乙男)』によって浸透した乙女男子。お菓子作りや裁縫、化粧や花などの“乙女的趣味”に興味・関心があったり、乙女的な考え方をするけど男らしさも兼ね備えているのが特徴だが、そんな乙女男子がいまBLでも大人気。 『テンペスト』(講談社)の阿仁谷ユイジが描いた『完璧な飼育』(リブレ出版)には、お互いに相手のことが好きすぎて一緒にいるために「女の子になりたい」と思っている幼なじみ同士や、見た目は無骨で硬派な板前なのにファンシーなものが大好きで、BLのCDを聞いて心の傷を癒すロマンチストなどが登場。相手のためにかわいくなりたいという願望や甘いセリフで癒されたいという感情は、一度は経験したことがあるものだろう。
また『乙女男子と奪われたい男』(神崎貴至/竹書房)には向かいの薬局に勤める薬剤師が好きで、毎日栄養ドリンクを買いに通ったり、飲みに誘うけど下心がバレるのが怖くて毎回酔いつぶれてしまう臆病なスポーツインストラクターや、惚れ薬を飲ませようとしたり、ゲームに夢中で自分に構ってくれない彼氏に怒って「別れ…