【『DRESS』創刊記念特別書き下ろし】 うっとり要素がすべて詰まった恋愛小説
いったい果たして、世の中の女性というのはどのぐらいの頻度で恋愛小説を読むのでしょうか? 私ごとながら恐縮ですが、恋愛映画はわりとよく見るのに恋愛小説は全く無視していたジャンル。小説だったらがっちりしたものが好きなので、この手の本はほぼ読んだことがなく、でも表紙が綺麗だったのでつい購入しました。
「シャンパン」なんていかにもなキーワードを抱えたタイトル。泡のイメージの写真とほのかなグラデーションの効いた表紙は女心を軽く盛り上げてくれます。主人公・浅生磨美子は、40歳を迎えたばかりの外資系高級ホテルに勤めるバリバリキャリアウーマン。
「このところつき合ってる男と別れても傷ついたりせずに溜息をつくだけで終わっているのは、本気になっていないから」というシビアなお年頃。誕生日の日にはプラダの眼鏡を新調、装いも新たに、仕事に生きる人生を決めたはずなのに! あぁ! そこで出会うんですねぇ。しかも出会いはマノロのヒールが排水溝に挟まってしまったから。それを助けてくれたのは、名も知らぬ男…。あら、やだすっかり期待しているではありませんか。最初から。
高級ブランドの美術館…