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「綾野剛」のレビュー・書評

役者陣の渾身の演技が人間の本質を照らす。吉田修一原作の映画『楽園』が描くものとは

役者陣の渾身の演技が人間の本質を照らす。吉田修一原作の映画『楽園』が描くものとは

 これまでも『悪人』『怒り』などの小説が、重厚な映画となって世に送り出されてきた作家・吉田修一。昨年、彼の小説である『犯罪小説集』のうちの二編を原作にした映画『楽園』が公開された。こちらも凄みのある雰囲気で、人間の業や”生きるとは”という問いを深く抉った一作だ。わかりやすい希望や明るいラストは描かれないが、かといって鑑賞後、孤独や絶望だけを残すものでもない。普段は考えるに至らない、人間の本質や他者と生きていくことについて思考を巡らせる機会をくれる作品になって…

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代表作が次々映画化。いまこそ読まれるべき早世の作家の純文学。まずは、綾野剛主演作品から

代表作が次々映画化。いまこそ読まれるべき早世の作家の純文学。まずは、綾野剛主演作品から

 この作品について知ったのは映画館でだった。4月19日よりロードショー公開される映画のフライヤー。主演は綾野剛、共演が池脇千鶴と菅田将暉。なのにTVCMも打たれず、検索をかけたらクラウドファンディングで宣伝費を集めている。さらに原作を書いた著者がもうこの世にいないことも知った。著者・佐藤泰志氏は、5回も芥川賞候補となりながら、受賞することなく、1990年バブルの余韻があるころ、41歳で自死したという。本書は三島賞候補作だ。ほか『海炭市叙景』が2010年に映画化されてい…

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