NegiccoとPerfumeが築いた現代アイドル史が音楽から浮き彫りに! 30組・200曲を網羅した一冊
『アイドルばかり聴け!』(堀埜浩二/ブリコルールパブリッシング)
新潟から全国区へ羽ばたいたアイドル、Negiccoの曲に「アイドルばかり聴かないで」がある。アイドルに夢中な彼氏へ嫉妬する、少女の気持ちを赤裸々に描いた1曲。無論、Negiccoはゴリゴリのアイドルなのだが、そんな彼女たちがアイドルばかり聴いてると「だんだんバカになる」「身体に悪いことだらけ」なんて、どこかドルヲタに“グサッと来る”フレーズを歌うのは、むずがゆくも心地よいという複雑な心境が押し寄せる。
一方で先月、曲名にオマージュを受けた『アイドルばかり聴け!』(堀埜浩二/ブリコルールパブリッシング)という書籍が刊行された。スタダDD(意訳すると「スターダストプロモーション所属のアイドルが“誰でも大好き”」)を自称する音楽ライターとしても活躍する著者が、女性アイドル30組、200曲を解説した渾身の一冊である。
しかし、単なるレビュー本と侮るなかれ。本書の真なる価値は、近代アイドル史が浮き彫りにされている点。2003年結成のNegiccoから、2010年頃からの“アイドル戦国時代”…