『一億総貧困時代』―虐待、奨学金、介護離職、ブラック企業…。今、日本で起こっている「貧困」問題とは?【著者インタビュー】
『一億総貧困時代』(雨宮処凛/集英社インターナショナル)
雨宮処凛さんは貧困問題に取り組む「反貧困ネットワーク」世話人で、若者の「生きづらさ」への取材や支援を続けてきた。昨年末は炊き出しやシェルター提供の現場を手伝い、路上生活者に寄り添いながら年越しをしたという。そんな雨宮さんが「貧困」をテーマに出会った人たちのことをまとめた、『一億総貧困時代』(雨宮処凛/集英社インターナショナル)が発売された。
しかし身も蓋もないタイトルだ。『一億総貧困時代』と言われたら、自分もそこにいるのかと暗澹たる気持ちになってしまう。確かに2016年に発表された「国民生活基礎調査」では、6割の世帯が「生活が苦しい」と答えている。また厚生労働省の調査では、6人に1人の子どもが貧困にさらされていることもわかっている。しかしつい先日も都内のデパートでは、バレンタインデーのために5000円以上するチョコレートを買い求める列ができていたし、街に出れば高級車を見ない日はない。それでもやはり『一億総貧困時代』なのだろうか? 雨宮さんに直撃した。
著者:雨宮処凛さん
雨宮処凛さん(…