永作博美さんが選んだ1冊は?「言葉の背後にあるのは究極的には愛や優しさなんですね」
※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2023年12月号からの転載になります。
毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある一冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは、永作博美さん。 (取材・文=松井美緒 写真=booro)
お子さんと書店に参考書を買いに行ったときに、永作さんが思わず「目が合った」という本書。学習書というよりはむしろ、「言葉の大切さ」を教えてくれた一冊だった。 「子どもたちが成長して言葉を覚えるほど、コミュニケーションが疎かになっている気がしていました。今、スピードが重視される時代ですから、皆、時間をかけることを面倒くさがる傾向にあると思うんです。会話でも相手の言葉を聞かずに、自分の考えを喋ってしまうような。でもそれでは言葉が死んでしまう。そして、人の心も死んでしまう」 言葉に込められた人の気持ちを、まずは受け止めてほしい。それを伝えたいと、永作さんはお子さんとの日々の会話を実践しているという。一方で、本書は子どもだけでなく大人にとっても示唆に富んでいる。 「最後にサンタクロース…