40歳を過ぎて、初めて歩く。乙武洋匡が義足への挑戦を諦めない理由に「母の存在」
2018年11月13日、渋谷ヒカリエで行われた「超福祉展」でひとつのプロジェクトが進行中であることが公式に発表された。その名も「OTOTAKE PROJECT」。四肢のない乙武洋匡氏が、最新の技術を搭載したロボット義足により二足歩行を試みる、というプロジェクトだ。
彼の新たな挑戦は、たとえばテレビ番組で松本人志氏と肩を組んだ姿や、義足を履いて仁王立ちする姿など、「五体不満足の乙武さん」とはかけ離れた衝撃的なビジュアルによって話題を呼んだ。
そんなプロジェクトの始まりから今に至るまでの経緯が書籍『四肢奮迅』(講談社)として発売。先天性の障害をもった彼にとって「歩く」とは未知の体験である。そこには当然、途方もない苦しみやストレスも待ち構えていた。
『四肢奮迅』(講談社)
正直、車椅子さえあれば義足なんて必要ないという乙武氏は、なぜこれほど時間をかけ、苦労し、義足で歩こうとしているのか。それには、このプロジェクトが始まってからの、彼自身にも想像のつかない出来事の連続、そして心情の変化があった。
■悔しさを乗り越えることには快感がある
インタビュー前、…