河原雅彦「なんでも俯瞰で見ちゃうんです。だから、人間観察にはちょっと自信がありますよ」
毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある1冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは、現在上演中の舞台『カッコーの巣の上で』の演出を手がけた河原雅彦さん。「人間観察が大好き」と話す河原さんが学生時代に実践していた驚きのエピソードとは――?
役者、脚本家、演出家と多岐にわたって活躍する河原雅彦さん。とりわけ演出家としての活動の幅は広く、商業演劇からパンクオペラ、さらには大人のラブコメミュージカルまで、ジャンルを問わず手がけている。 その河原さんが演出をする上で心がけていることは、「俯瞰の目を持つこと」だという。
「作品に対してどっぷり感情移入したり、のめり込んで考えるタイプじゃないんです。『消された一家』のようなルポを読むときでも同じで、人間の行動や心を観察するように追っている。これはもう、クセですね。普段の生活でもそうですから」
「取材で語って得することはまるでないですけど、人間観察には昔から自信がありますよ(笑)」と河原さん。それを証明する、あるエピソードを教えてくれた。遡ること、学生時代の話…