TK「文の意図を考えるよりも先に、作者の感情が伝わってきた。この感覚は初めてでした」
毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある一冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは、1月にベストアルバム『Best of Tornado』とニューシングル『Who What Who What』をリリースした「凛として時雨」のTKさん。本が苦手な彼が、唯一夢中になったという茨木のり子の『歳月』と、そこからインスピレーションを受けた曲作りの共通点をうかがった。
インタビューを始めるにあたって、唐突に「僕、あまり本を読まないんですよね……」とカミングアウトをしたTKさん。「だから、僕なんかがダ・ヴィンチに出ていいものかどうか、すごく悩みまして(苦笑)」と素直に心境を吐露してくれた。彼の家の本棚にあるのは主に写真集。写真は見るのも、自身が撮るのも大好きだという。 「それでも、写真集だって一度目を通すと、その後見返すことってほとんどないんです」 では、その彼がなぜ、茨木のり子の『歳月』にだけは興味を持ったのだろうか――。
「出会いはレコーディング・スタジオでした。そこに置いてあったのを偶然、手にしたん…