ミステリーの名手・貫井徳郎によるVRが舞台の新境地。異世界クエスト風ゲームと現実の連続殺人が交錯する贅沢な1冊『龍の墓』
貫井徳郎といえば、デビュー作『慟哭』や妻夫木聡主演で映画化された『愚行録』をはじめ、現代が内包している闇を骨太に描く社会派ミステリーで知られる作家。そんな彼が、連続殺人の謎解きに主眼を置いた本格ミステリーを書いた、と聞いただけで驚く人は多…
貫井徳郎といえば、デビュー作『慟哭』や妻夫木聡主演で映画化された『愚行録』をはじめ、現代が内包している闇を骨太に描く社会派ミステリーで知られる作家。そんな彼が、連続殺人の謎解きに主眼を置いた本格ミステリーを書いた、と聞いただけで驚く人は多…
何かを奪うためではなく取り戻すための犯罪とは、何と哀しいものなのだろうか。貫井徳郎の作品を読むと、そんな感慨に打たれることが多いのだが、本作『我が心の底の光』(双葉社)を読んで改めてそれを強く感じた。 主人公の峰岸晄は、ずっと奪われてきた人…
理系の人間は発明の力で「世界を変える」ことができ、文系の人間は政治や文学、芸術の力で「世界を動かす」ことができるのだから、すべての人間がこの社会にとって必要不可欠な存在なのだ、と素直に信じることができたあの時代に戻りたい。世の中の大多数が…
ある女性の戦いの半生を描いた、どえらい小説が出てきた。 主人公は作家の咲良怜花。数々の文学賞をとった人気作家だが、8年前に49歳の若さで絶筆。そ彼女のカムバックを願う若き編集者の熱心なアプローチに、怜花は誰にも明かさなかった自分の壮絶な半生を…
■天使の屍/貫井徳郎/角川書店 中学2年生の青木優馬が、マンションから飛び降りて自殺した。 行政解剖の結果、遺体からLSDが検出される。優馬の死に疑問を抱いた父は、優馬の友人たちに会って話を聞こうと決意する。しかし父の前に現れた水原は、友人を亡く…