芥川・大江賞作家・長嶋有と実力派の女性漫画家6名がタッグを組んでおくる珠玉のアンソロジー『いろんな私が本当の私』
『いろんな私が本当の私』(双葉社)
音楽、映画、本あらゆる膨大なコンテンツの電子配信が可能となり、スマートフォン一つでそれらに気軽にアクセスできるようになった今、それでもあえてCD、DVD、紙の本を買って手元に置いておきたい作品がある。コンテンツの作者のファンであったり、思い入れのある作品だったりと理由はそれぞれあると思うが、じっくり何度も味わいたい作品であるという点は共通しているのではないだろうか。今回ご紹介する『いろんな私が本当の私』も紙の本で手元に置いておきたくなるそんな1冊だ。
『いろんな私が本当の私』は芥川賞、大江賞受賞作家、長嶋有 (ナガシマユウ)先生の6編の小説が実力派の女性漫画家6名(米代恭先生、三本阪奈先生、丹羽庭先生、コナリミサト 先生、鶴谷香央理先生、雁須磨子先生)によって漫画化され収録されている。2012年に発行された『長嶋有漫画化計画』から10年以上の時を経て企画された待望の漫画化アンソロジー第2弾だ。作品毎に長嶋有先生自身による解説や担当漫画家とのエピソードも収録されており原作ファンもマンガ好きも両方がうれしい1冊となっ…