本物はブームとは関係なく始まっていた
ぶっちゃけ、物語は頭文字Dの旋律に、自転車を乗せたような話です。身も蓋もないけどさ。でも、そんな2匹目のドジョウ狙いの安い作品だと思ってもらっては困る! それだけは先にいっておきます。著者の自転車にかける思いは、深く、年季の入ったものだから。だからこそ主人公、丸子は巻が進むと自転車勝負をするのだが、彼が超えなければならない壁は高く険しい。まぁ、主人公に厳しいっていうのはバトル要素があろうとなかろうと、物語の基本ではありますけどね。
絵柄はね。最近のアニメ絵を見慣れている目には、違和感があるかもしれない。 でも、決して下手なわけではない。それは自転車の絵を見れば分かること。キャラに癖があるだけで、デッサンはちゃんとしているから。それに何より、漫画としての完成度が高いですよ。だから知らず知らずのうちに気分はすっかり自転車族です。
子どもの頃って、漫画やアニメの影響を受けやすいですよね。おそらくそれと同じ現象が味わえます。ママチャリでもいいから、無性にペダルをこぎたくなるんだよねぇ。そして街を駆け巡っているロードに、自然と目がいくようになっている自分に気づ…