各世代の“ふろく観”を繋ぐ ―『りぼんの付録 全部カタログ』の読み方
『りぼんの付録 全部カタログ ~少女漫画誌60年の歴史~』(烏兎沼佳代/集英社)
最初は、「ふろく」のことが全然好きではなかった。図画工作の授業では決まって人よりワンテンポ遅れて居残りしていた私が、『りぼん』の付録をつまずくことなく組み立てられるわけもなく、いけ好かない奴、と思っていた。付録が好きになったのは、『りぼん』の連載作品に熱中するようになってからだ。好きな作品のキャラクターのイラストが付録に描かれているから、というよりも、『りぼん』に掲載されている漫画すべてをすみずみまで読み尽くしてしまった後のガッカリ感を、付録が解消してくれていた。ああ、まだ、付録があったぞ、と。“今月の『りぼん』を楽しむ時間”が終わらないように、組み立てるのが難しい複雑な付録も、じっくりと山折り、谷折りした。
『りぼんの付録 全部カタログ ~少女漫画誌60年の歴史~』(烏兎沼佳代/集英社)は、『りぼん』の創刊号から60年間のすべての付録を紹介している本である。本書が執筆された時点で、創刊から1号もかかさず付録がつき、全720号、総数は約3700点とのこと。漫画の種…