みくらの清々しいほどの冒険活劇
不思議な作品でした。何だか清々しいほどにまったりとした冒険活劇です。プロット自体は『天空の城ラピュタ』を思わせる秘境探索ものなのですが、南の島特有ののんびりとした雰囲気と、主人公である少女「みくら」の爽やかさとが相まって何とも心落ち着く作品です。
秘境探索というと過激な試練を乗り越えてたどり着くもの……なんてことを想像してしまいがちですが、みくらが追い求めるのは数年間の周期で姿を現すという「エレキテ島」です。なのですが島の住人は誰もそのことに関心がない辺りがおもしろく、悪党のようなキャラクターは出てきません。
ひたすらに、みくらが自身が所有する小型機で島周辺からヒントを探していく様子がひたむきで良いですね。画風がキャラクター、キャラクターしてないないのも爽やかな印象を受ける要因かもしれません。なので南の島特有の露出度の高い服装をしていても、あまり媚びたようには見えませんでした。むしろ自然体って感じで心地が良いです。
この作品には今のところライバルとの対決や世界征服などの起伏はないのですが、本来の宝探しってこんな感じかもしれませんね。別な意味でホッとする…