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宮崎夏次系

職業・肩書き
マンガ家
ふりがな
みやざき・なつじけい

プロフィール

最終更新 : 2018-06-08

宮城県生まれ。作者の初単行本『変身のニュース』が文化庁メディア芸術祭マンガ部門「審査委員会推薦作品」に選出。他著作に『僕は問題ありません』など。

「宮崎夏次系」のおすすめ記事・レビュー

  • レビュー・書評

やさぐれ女子イブと母性のかたまりアダムの凸凹ギャグ漫画『アダムとイブの楽園追放されたけど…』

やさぐれ女子イブと母性のかたまりアダムの凸凹ギャグ漫画『アダムとイブの楽園追放されたけど…』

『アダムとイブの楽園追放されたけど…』1巻(宮崎夏次系/講談社)

 アダムとイブが禁断の実を食べて楽園から追放される――。この誰もが知っている聖書の一節のその後を、強烈なギャグ漫画に仕上げたのが『アダムとイブの楽園追放されたけど…』1巻(宮崎夏次系/講談社)だ。アダムとイブの絶妙なコンビが繰り広げるのは、宗教コンプライアンスぎりぎり(アウト?)のストーリー。さらに続々と登場する濃いキャラクターが、物語をおかしな方向へと導いていく。そして宮崎夏次系氏らしさとも言える絶妙な「深み」が加わり、他とは一味も二味も違うギャグ漫画に仕上がっている。

 穏やかでド天然な性格のアダムと、サングラスをかけたやさぐれ女子イブ。楽園から追放された2人は、突然産まれた子供カインと3人で暮らしはじめる。母性のかけらもないイブは、カインの育て方がわからない。その反面、ほっこり系男子のアダムは母性の塊。出ない乳を無理やり飲ませようとしたり、布オムツをせっせと作ったりする。

イブ「ちょ…縫いすぎじゃない?」

アダム「いやいや、大は小カネだろ。排便は新生児にとって重要な健康のバロメー…

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不思議でシュールで思いっきりコケティッシュ 魅惑の宮崎夏次系の世界にゾッコン

不思議でシュールで思いっきりコケティッシュ 魅惑の宮崎夏次系の世界にゾッコン

 シュールなコミックが好きです。ナンセンスなコミックも好きです。難解で知的な感じ、深みがありそうな感じの作品が好物です。読後、「文学的にすごい」とか好き勝手に評価したりします。おおむね、頭で楽しんでいるんですね。しかし、本作にはやられました。じつにシュールなのに、ナンセンスっぽいのに、すべてのコマに意味があって、しかも心にズキュンとくるんです。わけがわからないのに感動して泣きそうになった、というのは私だけではないはずです。

 さて、本作は9話で成る短篇集。どこかが欠けたさまざまな人間が、短い出来事を通してアッと変身を見せます。絵はか細い線ですっきりしており、かつ非常にコケティッシュ。それなのに、清涼感があります。スポーツをした後に飲む某清涼飲料水のようにゴクゴクいけます。

 それでいて、物語はシリアスなのかギャグなのか。最後まで読んでもわかりませんが、まあそんな分別をする必要がないのだと思います。とにかく、不思議で不条理で独創的。丸ごと新しい。思春期の中学男女が、学校の真っ白な壁に書かれた「オッパイボイーン」という“ゲスな”ラクガキを消しながら距離を…

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さみしいけれど、僕は問題ありません

さみしいけれど、僕は問題ありません

 すこし変わった日常に文学的ファンタジーをプラスする、漫画家・宮崎夏次系が贈る8つの短編集。

 心配性のおじいちゃんに家に閉じ込められる少女、夜な夜な人形たちに話しかけて心を癒すお父さん、たった2人しか住まないマンション内でストーカーする男、麻薬で逮捕された家庭教師に恋する女子高生…『僕は問題ありません』には、そんなちょっと変わった登場人物たちが出てくる。

 共通項としては、みんな何かの「さみしさ」を抱えて生きている。『はねる』という短編では、主人公が、あるだらしない風体の男を車ではねてしまう。だが、その被害者が「ログデナシ」だったという理由からすぐに主人公は釈放される。死んでも構わないような男だったというわけだ。男の妹に謝りにいくも、兄がいなくなってほっとしているとまで言われてしまった。主人公はそれでも罪悪感から、轢いてしまった男のことを考え続け、ある日、男の悲しい秘密を知ることになる…。

 登場人物たちがそれぞれのさみしさを共鳴させることで、奇妙で小さなドラマが生まれる。読者はそんなところにホロリときたり、唸ったり、くすっときたりもする。日常の異…

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