注目の新刊 『ふれられるよ今は、君のことを』 ダ・ヴィンチ2013年2月号
冴えない中学教師の楓は、近ごろ料理上手な年下の居候彼氏と同棲中。家では彼がちょくちょく“消えて”しまうことに悩み、職場では問題児・市田君の面倒を見るよう頼まれ……。恋愛不能や発達障害といった問題をふわりと包み込み昇華した、大人の恋愛ファンタジー。
冴えない中学教師の楓は、近ごろ料理上手な年下の居候彼氏と同棲中。家では彼がちょくちょく“消えて”しまうことに悩み、職場では問題児・市田君の面倒を見るよう頼まれ……。恋愛不能や発達障害といった問題をふわりと包み込み昇華した、大人の恋愛ファンタジー。
煮豆、漬け物、ポトフなど料理の名前のついた23の物語。普通の生活の中のちょっとした感情の動きを繊細にとらえたストーリーと、おいしそうな料理の描写が、なんとも食欲をそそる。材料リストも掲載されているので、登場した料理にチャレンジしてみたくなる。
書道教室で生まれた、長い長い片想いの行方――。『葉桜』(集英社)は橋本 紡さん待望の新刊。 高校3年生の主人公・佳奈のせつない想い、移ろう青い季節のなかで、ひた向きに“書”に打ち込み、大人へと成長していく姿を繊細に描き出した、久々の王道・青春恋愛小説だ。
[ddnavi-book]AmazonRakuten9784087714180|small[/ddnavi-book]
一人の少女が年上の先生に片想いをする――。よくある話だけれど、「よくあることだからこそ書くべきだと思った」と著者の橋本さんは言う。
「たとえば、『ロミオとジュリエット』はベタベタの話だけれど(笑)、でも、シェイクスピアの時代から400年も読まれ続けて、毎回、それをおもしろいなと思う。つまり、恋愛に関しては、人間の感情は基本的に変わらないし、そこをきれいに掬いとっていくことこそが作家の役目なんじゃないかなと、僕は思うんです」
よくあることは、実はとても特別なこと――。だから、この小説は、青春を遥かに過ぎた人が読んでも、恋に惑い、揺れ動く気持ちは、基本的に、あの頃とまったく変わらないのだと…
「橋本紡」のおすすめ記事をもっと見る