玉山鉄二さんが選んだ1冊は?「ニュースをいかに“選択”できるか。受け取る側の姿勢に気づかされた」
毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある一冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは、玉山鉄二さん。 (取材・文=河村道子 写真=大石隼土)
「僕はもともとドキュメンタリーが好きなんです」という玉山さんが選んだのは、総理大臣や官房長官に食い込んだ、ごく一部の記者を指す言葉をタイトルに冠した一冊。 「フィクションなのに、文字から溢れる生々しさが表面的な部分を突き破ったところにあるリアリティを想起させてくれる。著者の相場さんはかつて通信社の記者だった方。お話ししたときに感じたのはニュートラルな印象のなかに垣間見える、見てはいけないものを見た人が持つ歯がゆさ、そこに溢れる熱量でした」 著者と対話したのは本作のドラマ化作品で主演した際。トップリーグ入りを果たした新聞記者・松岡を演じていくなかで感じたのは「ニュースとは“自分がどう思うか”で完結するもの」ということだったという。 「たとえば政治家のひと言から報道記事を勘ぐって読むことがありますよね。ニュースの裏にあるものを、そうして想像することはすご…