特集番外編1 2012年10月号
なぜ今、村上春樹特集か? 編集M ダ・ヴィンチですが、特集会議を2か月に一回頻度で行っています。そこで次に担当したい、やってみたい希望の特集の企画書を編集者全員で提出するのですが、ある日、なぜか私とK(26歳)が「村上春樹さんの特集がやりたい」との企画を偶然、揃って、提出しました。 実はこの半年、私は「男と本。」や「京都で、本を」、Kは「ジョジョ特集」「次にくるマンガランキング」などをメインで担当してきました。いつもキャッキャと夏フェスの話ばっかりしているような、そんな2人です。ですから「‥‥‥なんで?」とほかの編集部員が「?」になった瞬間でした。「なぜ今(若いお前たちがそろって)、村上春樹?」
『海辺のカフカ』が発売された当時、弊誌は「拝啓、村上春樹様」という特集を発売しました。今号は以来約10年ぶりの特集となります。 なぜ私は今、村上春樹さんの特集企画案を出したのか? 東日本大震災後、私はずっと無力感に苛まされていました。中学生の頃、地元で阪神・淡路大震災を経験したのにも関わらず、今の東日本大震災後の無力感のほうが大きかったので…