若い頃は読んでいたけど…ではもったいない! 妖しい江戸川乱歩ワールドにどっぷり浸かる辞典
本好きなら、江戸川乱歩の作品を読んだことがないという人はほとんどいないのではないだろうか。幼少期には図書館の片隅に並んだ「少年探偵団」シリーズを見つけて読み、青年期には『人間椅子』『陰獣』などの、いわゆる幻想・怪奇小説におそるおそる手を伸…
本好きなら、江戸川乱歩の作品を読んだことがないという人はほとんどいないのではないだろうか。幼少期には図書館の片隅に並んだ「少年探偵団」シリーズを見つけて読み、青年期には『人間椅子』『陰獣』などの、いわゆる幻想・怪奇小説におそるおそる手を伸…
江戸川乱歩といえば著名な推理小説家であり、子どもの頃に児童向けの「少年探偵」シリーズあたりに親しんだ人も多いのでは。私もそのクチなのだが、そのイメージが覆ったのは中学生の頃だった。林間学校の宿舎に置いてあった『パノラマ島奇談』。江戸川乱歩…
奇想天外なストーリーとトリック、人間の奥底に潜む欲望や愛憎を独特な筆致で描く推理小説家・江戸川乱歩。その妖しい作品世界は、今もなお多くのファンを魅了しつづけている。江戸川乱歩といえば、本格ミステリーや少年向け推理小説を手がけているイメージ…
湯気をたてる香り高いコーヒーを味わう時間は、優れた随筆を嗜む時間と似ているような気がします。まったりと、時間をかけながら身体の芯まで染みてくるあの感覚。生きている上でそういう時間は必要だと言えましょう。太宰治から始まり、坂口安吾で終わる。…
今の小学生は江戸川コナンが大好き。江戸川コナンを入口に、江戸川乱歩やコナン・ドイルを読む小学生もいるとか。私が小学生のとき、友達に熱心な江戸川乱歩ファンがいて、その影響でよく読んだものでした。あのおどろおどろしさ、先の読めない展開、ページ…
戦争により廃兵になった夫の姿は想像を絶する酷さだった。四肢は切断され、声帯と内耳の損傷、唯一残るは両目の視界だけ。まるで芋虫のような姿に成り果て戦地から戻ってきた男の余生はなんたる惨めなものか。夫は過去の栄光が載った新聞と勲章を眺めるのを…
「孤島の鬼」を江戸川乱歩の最高傑作だという人もいます。 一つには、乱歩が愛した猟奇のアイテムがこの作品の中に集合しているからでしょう。密室殺人、凄惨な女性の死体、身体的フリークたちの跳梁、サーカス、迷路、美少年や同性愛などなど。このほかに、…
いよいよ大乱歩全集も最終巻。第三集であります。 第一集は幻想奇譚、第二集は本格推理と続いてきた本作ですが、第三集はその集大成にふさわしく、前作両方を絶妙にブレンドした面妖な読み味の作品が収録されています。 収録作品は以下のとおり。 ・赤い部屋…