“萌え”も“ツンデレ”もいらない 新人作家、あやめゆうのラノベに注目!
妖精郷スシォルロントを舞台に繰り広げられる壮大なおとぎ話『RINGADAWN(リンガドン) 妖精姫と灰色狼』(中央公論新社C★NOVELS Fantasia)は、著者あやめゆうの夢の中から生まれたという。 「このお話に出てくる重要なモチーフの“湖に半分沈んだ船”が、ある晩の夢に出てきたんです。だから、いつか使おうと思って」。 こう聞くと、さぞ夢見がちな人物かと思ってしまうが、本質はリアリスト。 「書くならラノベがいい。読者が分かりやすく楽しめるジャンルだから。とはいえ“萌え”や“ツンデレ”のような方向にはせずに勝負したくて」 あやめゆうは本作品で、第7回C★NOVELS大賞特別賞を受賞。第2回から6年間も応募し続け、ほぼ毎年最終選考まで残っていたため、編集部内でも話題の応募者だった。 過去の応募作品でも今作でも、一貫して大事にしているのは“嘘くさくならない”ことだという。 「ちょっとだけ救いや希望がある、っていうのがいいんです。主人公が好き勝手やって、恵まれていて、周りもちやほやしてくれて、なんてリアルじゃな…