「教授はもっとエロく、野獣じゃないと!」 荒木経惟V.S.坂本龍一【撮影現場レポ】

『ダ・ヴィンチ』12月6日発売号の巻頭連載「男-アラーキーの裸ノ顔-」には坂本龍一が登場。闘病生活を乗り越えいま再び世界で活躍する音楽家を、写真家・アラーキーが撮り下ろした。二人の出会いはまだ坂本さんが東京藝術大学の学生であった頃に遡るという。それから41年、小さなスタジオに合間見えたふたりの天才アーティスト。そこには懐かしさと共に、どこか心地よい緊張感が走っていた。 スタッフ達が見守る中繰り広げられたこの「対決」の様子をレポート形式でお伝えします。
「おー! 久しぶり!」 11月2日、六本木にある地下のスタジオに現れた教授(坂本龍一)を、アラーキー(荒木経惟)は笑顔でむかえた。教授が挨拶とともに8年ぶりの新作『async』を手渡すと、「ありがとう。さっそくかけよう」とアラーキー。スタジオに第1曲目「andata」が流れ始めた。教授とアラーキーの会話は、41年前の出会いに遡る。詩人で小説家の富岡多恵子が歌ったアルバム、『物語のようにふるさとは遠い』。まだソロデビュー前でスタジオミュージシャンだった教授は、このアルバムで富岡の詩に曲をつけ、ピアノ…