ネットに溢れている悪意の正体は…。『ソーシャルメディアの何が気持ち悪いのか』
『ソーシャルメディアの何が気持ち悪いのか』(香山リカ/ 朝日新聞出版)
普通に話しているといい人なのにツイッターでは悪口ばかり書いている、身近にそんな人がいないだろうか? あるいは、自身の行動に心当たりがある人もいるだろう。いまや当然のように誰もが利用しているSNS(ソーシャルネットワークサービス)だが、使いこなせている人はそれほど多くはない。むしろ、SNSの面倒臭さや、見ず知らずの人が向けてくる悪意にストレスを感じている人も少なからず存在している。
『ソーシャルメディアの何が気持ち悪いのか』(香山リカ/ 朝日新聞出版)は数々の著書やメディア出演で人気の精神科医によるソーシャルメディア論である。SNS上での他者との関係に辟易していた著者が綴る内容は、SNSに対して違和感を抱きつつも上手く言葉にできなかった人々にとって深い共感を呼ぶだろう。そして、SNSを使いこなせていると信じる人にとっても自分自身を振り返る絶好の機会となるはずだ。
著者がSNSについて深く考えるようになったきっかけは東日本大震災の直後だったという。精神科医としてメッセージを発信す…