『嵐が丘』も『トワイライト』も好きな大人のための大型ファンタジー
昨年、アメリカで発売された新人作家によるファンタジー『カッシアの物語』が、発売後たちまちベストセラーとなり世界33カ国以上が翻訳権を獲得。ウォルト・ディズニーによる映画化も決定した。 近未来のディストピアを舞台にした詩情あふれる力強い物語は、『嵐が丘』『風と共に去りぬ』『トワイライト』に続く新たなラブストーリーだ。 今秋、日本でも発売されたシリーズ第1作目の物語の一部を紹介しよう。
『カッシアの物語』 アリー・コンディ/著 高橋 啓/訳 プレジデント社 1890円 仕事も結婚も死期もすべてがコントロールされている管理社会「ソサエティ」に生きる少女カッシアは、17歳の誕生日の日に結婚相手が発表される「マッチ・バンケット」に参加した。そこで発表された相手は幼なじみのザンダーだった。ところが、会場で受け取った結婚相手の情報カードを見て、カッシアは驚く。そこに一瞬映し出されたのはザンダーとは別人の少年、カイだったのだ。自由とひきかえに平和な生活を取り戻した社会で、真実の恋を知ってしまったカッシアは長く険しい反逆の道へ向かって歩き始める──。本国アメリカで…