30歳OLと12歳の少年。幸せな笑顔を見たいだけなのに、阻まれるその不確かな関係の行方は。話題のコミック『私の少年』
『私の少年』(高野ひと深/双葉社)
孤独を満たしてくれるのが、恋愛とは限らない。同性にせよ異性にせよ、恋人でもないのに濃密に惹かれあい、必要としあう相手が人生の一時期に存在することはある。だがそれが、血縁でもない30歳OLと12歳の少年だったらどうだろう。互いに疚しいものがなくても、世間の目は――? そんな不確かであやうい2人の関係を、叙情的に繊細なタッチで描き出すのがマンガ『私の少年』(高野ひと深/双葉社)。
「マンガ史上最も美しい第一話」と絶賛され、コミックスは累計55万部を突破。「このマンガがすごい!2017〈オトコ編〉」で2位を獲得するなど、いま大注目の同作最新3巻が発売された。
主人公の聡子は、強くて凛々しい大人の女性だ。いつも理性的な彼女は、思わせぶりな態度をとり続けた末に、婚約者を紹介してきた元カレのことを、怒ることも憎むこともできなかった。そんなとき出会ったのが、深夜の公園でひとりサッカーの練習に励む少年・真修(ましゅう)。変質者に絡まれていた真修を助け、フットサル経験のある聡子が練習につきあうことを約束したところから2人の関係は…