日本が世界に誇るアニメ監督、今敏! 漫画家時代の1作!
有史以来、人類は地球上のありとあらゆる場所を踏破、開拓してきました。そしてアマゾンの秘境や極圏と、地上を調べ尽くした後、その眼は宇宙へと向けられたわけですね。衛星軌道や月への到達を始めとして、ついに先日、探査機キュリオシティが火星に到達。凄い時代になったものです。
―――とはいえ、地球上にもまだ未知の領域は残されています。特に海は、地球表面の70%を占めているにも関わらず、全体のほんの10分の1ほどしか分かっていないといわれています。いやぁ、ロマンですね。このロマン溢れる海が本作『海帰線』の舞台であります。
星野之宣のブルーホールや諸星大二郎の海神記などなど、海洋SF漫画は沢山ありますが、本作はどっちかというと海神記より。日本の漁師町を舞台に、「海人の卵」という古来から伝わる謎めいた御神体を巡る物語。海洋信仰をモチーフにした民俗SF作品ですね。
諸々はさておき、特筆すべきはやはり、本作が故・今敏監督の漫画だという所でしょう! 皆さんご存知の様に、アニメ映画『パーフェクトブルー』、『千年女優』、『東京ゴッドファーザーズ』に『パプリカ』の、あの今敏監督であ…