佐渡島庸平×柴山浩紀――真逆に見えて実は似ている!?マンガ編集者と人文編集者のガチンコ仕事論
新時代のエンタテインメントを模索し続ける佐渡島庸平さんと、人文・ノンフィクション分野で数々の話題作を編集している柴山浩紀さん。対照的なようでいて実は似ている――かもしれないお二人に、編集者の仕事論をめぐって対談していただきました。
取材・文=皆川ちか 写真=種子貴之
わかりやすく多くの人に伝えるか、わからなさを大事にするか?
佐渡島:僕は『ダ・ヴィンチ』で毎月1冊、気になる本と、その担当編集者を取り上げる「編集者の顔が見てみたい‼」という連載をしているんですが、2月号で柴山さんが編集を担当した『家(チベ)の歴史を書く』(朴沙羅/筑摩書房)を紹介しました。その際、ここ最近気になって手に取っていた本のことごとくを柴山さんが編集していると知りまして……。まさに僕のつくりたい本をつくっている編集者である柴山さんに、ぜひ一度お会いしたいと思っていました。
柴山:大ヒットマンガを手がけてきた佐渡島さんが、人文書畑の僕にそんなふうに感じているなんて不思議な感じです。でも僕も、佐渡島さんの著書を拝読すると、共感する部分がたくさんあるんです。たとえば『観察力の鍛え…