『女性の品格』坂東眞理子が10代の頃から何度も読み返す「我が青春の形見」の1冊。年齢によって味わいを変える読書のススメ【私の愛読書】
大ベストセラーとなった『女性の品格』(PHP研究所)で知られる昭和女子大学理事長・総長の坂東眞理子さんは、東京大学卒業後、総理府に入省し要職を歴任した「働く女性」「ワーキングマザー」の大先輩。そんな坂東さんの素顔は、無類の「読書好き」でもある。
さまざまな分野で活躍する著名人にお気に入りの本を紹介してもらうインタビュー連載「私の愛読書」。今回は老若男女に向けてアンコンシャス・バイアスについて書かれた『思い込みにとらわれない生き方』(ポプラ社)を上梓されたばかりの坂東さんにご登場いただいた。
「愛読書選びは難しい…」と悩みながら選んでくださった3冊は、青春の思い出の1冊から最新の歴史もの、ロングセラーの自然科学もの。いずれも坂東さんの「視野の広さ」「見識の深さ」を実感するラインナップとなった。
(取材・文=荒井理恵 撮影=川口宗道)
年齢によって味わいが変わった『トニオ・クレエゲル』
ーー本日は坂東さんの「愛読書」を3冊教えていただきたいと思います。
坂東眞理子さん(以下、坂東) 愛読書を聞かれるのって、とてもつらいというか答えにくいものなんですよ。本…