万博プロディユーサー堺屋先生が語るイベントに人を集める方法
著者の堺屋太一氏は、イベントに関しての考え方はすべてバックキャストで、「未来像=最後になるべき形や姿」をイメージしてから、「現在の姿=いろいろな準備や前の段取り」をされる方です。たしかにこの方法ですと、ぶれずにいいものができそうですが、なかなか凡人には、最初の構想段階から最後の姿をイメージすることは難しいものです。
また、事前の打ち合わせに大変な労力と時間を使い、質の高いイベントに仕上げる点や、常に新しいものを追いかける著者の姿勢には大変学ぶべきものがあります。
そんな著者の原点は、通産省時代の大阪万博のプロデューサーにあります。そこでの成功体験を踏まえて、「人を呼ぶ」ということはどういった仕掛けかについて解説をされているのが本書の内容です。上海万博では、日本産業館というパビリオンをすべて民間のお金だけで出展、最終的に黒字で終了しました。そのお金を集める手法もさることながら、イベントを成功させるためにコンセプトをぶらさないこと、合同会社という時限立法の組織のことなど参考になる点が多々あります。
そしてそれを成功させるためには、大企業の終身雇用、年功序列…