読書家の三浦翔平「山田悠介作品の意外な展開にやられました」
「本を読むのはたいてい寝る前。一気に読んじゃいたいので、中編や短編の小説が多いですね」と、読書家としての一面をのぞかせる三浦さん。お気に入りの作家は木下半太や七尾与史など。なかでも「山田悠介さんが大好きで全部の作品を読んでます」とのこと。共通するのは、一筋縄ではいかない物語の展開だ。
「読んでいくうちに、『そう来たか!』と思えるドンデン返しが大好きなんです。しかもこの『その時までサヨナラ』は、山田さんと言えばホラー小説のイメージが強いのに、初めてファンタジーを描いた作品で。そうした意外なところからしてやられた感があったんですよね」
主人公の悟は家庭を顧みない仕事人間だ。ところが別居中だった妻が事故死し、数カ月ぶりに顔を合わせた一人息子と妻の親友という謎の女性との奇妙な三人暮らしが始まると、彼の心に少しずつ変化が生まれていく。
「常に周りを見下していた男が人間味を帯び、父親としても成長していく。その過程がとても魅力的に描かれているんですよ。忘れていたものを思い出させてくれるような心温まる展開もあるし。ほっこりした気持ちになりたい方にはおすすめで…