山村隆太「読み手に考える余白を残しているのが小説の素敵なところ」
毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある1冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは、デビュー5周年を迎えたflumpoolのヴォーカリスト・山村隆太さん。「すっかりハマった」という小説との出会い、そして自身の作詞のこだわりについて語ってくれました。
「しっかりと意思を持って小説を読んでみようと思ったのが、この『秘密』だったんです」 と山村さんは言う。 きっかけは単純なもので、ただ本人にとっては語るのに少々照れくさいものだった。
「ちょうどflumpoolとしてデビューする前ぐらいの年だったと思うんですが、そろそろいい大人だし、小説の1冊や2冊は読んでおかないと、と思って(笑)。そこで偶然、手にした一冊でした」
ところが、引きが強かったのか、これが大当たり!
「小説がこんなにも面白いものだとは思わなかったです。設定の素晴らしさ、ラストの衝撃……。そうしたものがギュッと詰まっていて。しかも、読みやすいんですよね。あまり他の作家の方の作品を読んでいるわけではないので偉そうなことは言えませんが、初めて体験…