山田詠美に「あんた、字、書けたんだね」小説家デビュー時に言われた言葉。約38年間第一線で活躍し続ける秘密
デビューして約38年経つ山田詠美の小説家としての人生は、ほぼ私の年齢と同じである。 こんなにも長いあいだ、第一線で活躍し続ける小説家はまれだろう。 人生は変化の連続だ。SNSの普及により、誹謗中傷が多発するなんて20年前は誰が思っただろうか。しかし…
デビューして約38年経つ山田詠美の小説家としての人生は、ほぼ私の年齢と同じである。 こんなにも長いあいだ、第一線で活躍し続ける小説家はまれだろう。 人生は変化の連続だ。SNSの普及により、誹謗中傷が多発するなんて20年前は誰が思っただろうか。しかし…
「女流作家」と聞いて、あなたは時代遅れの言葉だと思うだろうか。 直木賞作家で、現在は芥川賞の審査委員を務め、デビューから約38年、年下の女性たちにも大きな影響を与えた山田詠美の自伝『私のことだま漂流記』(山田詠美/講談社)が刊行された。 そこで…
1991、1992年に文芸誌の「新潮」と「文藝」に短編が9本掲載、1993年に単行本化された山田詠美氏の『ぼくは勉強ができない』(新潮社)。10代の視点から社会を斬るという点で、恋愛小説が多い著者の作品の中では異色だが、山田詠美氏らしいユーモアと人生に対…
最近では『A2Z』の映像化が話題の山田詠美氏が、30年以上に及ぶ作家生活で初めて実際の事件から着想を得て書いた小説『つみびと』(中央公論新社)。著者が事件のルポなどを読んだ上で描いたフィクションだが、事件に関わる人物の背景や心の深部に浸る経験を…
『私のことだま漂流記』 ●あらすじ● ラブレターを代筆した幼少期に、辛酸を舐めた学生漫画家時代。小説家デビュー後の誹謗中傷に悩まされた日々と、念願の直木賞受賞。さらに様々な人との出会いと別れ――。作家・山田詠美の半生は、波乱と情熱、そして美しい…
今も昔も、有名人のスキャンダルはインターネットやテレビを賑わせる。特にそれが不倫となると、あたかも自分も関係しているかのように前のめりになる人もいる。 しかしそこに当事者の視点はない。 例えば夫婦のうち夫が不倫したのであれば、妻の心情は「不…
「たった一本の線で、そのページ全体を情感で満たしてしまう内田春菊さんの絵が、昔から大好きでした」というのは、コミカライズに寄せた山田詠美さんの言葉だが、まさしく情感で満たしたとしか言いようのない1冊となった内田春菊版『タイニーストーリーズ』…
街中で知らない人たちの会話を耳にしたとき、私たちは何も思わず通り過ぎるだろう。会話の内容が惹きつけられるものでなければ。 作家の安部譲二さんと山田詠美さんの対談集『愛してるよ、愛してるぜ』(中央公論新社)は、気心の知れた旧友たちの会話のよう…