士郎正宗

世界を震撼させてきた「攻殻機動隊」シリーズがついに舞台化決定！

　「GHOST IN THE SHELL」「イノセンス」は劇場公開、「S.A.C.」「S.A.C. 2nd GIG」はTVシリーズとして放送された。ハリウッドでの実写映画化決定に続き、2015年6月20日（土）には「新劇場版」の劇場公開が控えるなど、士郎正宗の原作誕生から25周年を迎え、いま尚アニメ界を牽引し続ける「攻殻機動隊」。そして今度は、あの世界観を表現するのは不可能とまで言われた舞台化が遂に決定した！ 攻殻機動隊結成前夜“はじまりの物語” 　現在「ARISE ALTERNATIVE ARCHITECTURE」が放送中だが、舞台版も新シリーズ「ARISE」の物語となる。演出には、舞台「ペルソナ」シリーズや「BLOOD-C ～The LAST MIND～」の演出も手がけた、演出家兼映画監督・奥秀太郎氏を抜擢。脚本は「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」の脚本家であり、「攻殻機動隊ARISE」スーパーバイザーの藤咲淳一氏が担当する。 　舞台「攻殻機動隊ARISE」は、藤咲淳一×奥秀太郎が贈る、攻殻機動隊結成前夜“はじまりの物語”…

石ころ以下のはずがない！ 原作者がアニメスタッフとして関わった作品紹介

少し前、あるアニメーターの「原作者は石ころより役に立たない」という過激な発言が話題になりました。ライトノベルやコミックなど、原作のある作品がメディアミックスとしてアニメ化されることが多くなってきた昨今、作者自らが積極的にアニメスタッフとして関わる事例が増えてきたように思われます。

例えば、現在放送中の『メカクシティアクターズ』。この作品では、原作者のじん氏が原作・ストーリー原案のみならずシリーズ構成・全話脚本も手掛けたことが話題になっています。

▲メカクシティアクターズ 1「人造エネミー」(完全生産限定版) 

普通に考えれば、餅は餅屋、アニメはアニメスタッフに任せるほうが安心できそうなもの。また、原作者はアニメ化によって、原作により注目が集まる可能性が高くなりますので、作品の続きを執筆することも求められます。よって、アニメにまでどっぷり関わっていては原作者の体がいくつあっても足りないでしょう。

しかし、過去を振り返っても、原作者がアニメに関わることは、決して珍しいことではありません。専門性は才能で、仕事量は情熱で乗…

奇跡の神コラボ！？ 新たな士郎正宗ワールドが描かれる！！

　『攻殻機動隊』（講談社）や『アップルシード』（青心社）で国内外に高い知名度を誇る士郎正宗と『エクセル・サーガ』『Holy Brownie』（ともに少年画報社）などの作品で知られる六道神士。どちらもマンガ好きにはたまらない作家だが、このふたりがタッグを組んでいたことをご存知だろうか。

　そんな、藤子不二雄にも負けない最強コンビが放つ巨弾連載が、3月にとうとう単行本化となった。それが『紅殻のパンドラ』（角川書店）だ。そもそも、この作品、士郎正宗のあとがきによれば「この企画は元々2008年7月、アニメ制作会社の発注に準じて作られ、諸般の事情により進行が止まりそのまま眠っていたもの」らしく、時を経て復活をとげたものなのである。

　時は近未来。高度情報ネットワークが発達する一方で、世界各地で頻発する災害のため政治経済が混沌とした時代。主人公である機械の身体の少女、七転福音は、親類を頼りに人造リゾート島「セナンクル・アイランド」へ向かう。その途中、サイエンティスト然な雰囲気を醸し出す女性ウザル・デリラと、猫耳の生えた福音と同じ機械の身体を持つ少女クラリオンと…

タンクっ娘！モーレツ戦車ポリス再び！

ドミニオンが帰ってきた！―――それも、より雑多に、過密になって。 前作から数年、大幅な描き下ろしを加えて刊行された本作。ドタバタお気楽メカアクションな前作のノリからやや舵を切り、攻殻シリーズを思わせるポリスアクション漫画となっています。（実は舞台は共通の新浜市ですが）

まず驚くべきは、短期間で洗練された画面密度。本作から一気に近年の士郎先生の画風になっています。小さなコマでも画面の奥行きと空間がしっかりと感じられて、描き込まれた屋内などは虫メガネで見ても飽きません。（むしろ虫メガネ推奨）アァ、うっとりするほど素晴らしい線画…。

もちろんそれだけではなく、ユーモラスなキャラクターもより一層パワーアップしています。レオナの非戦闘時の発砲回数は以前に比べてダントツに多いですし、今回はナント、例の極悪一味からスペシャルな仲間も参戦します。不敬で粗暴なニューポート署は健在であります。（すごい量の始末書書いてそう…）

個人的には署内の雑然とした雰囲気も素敵です。レオナ達の後ろでは、各部署が入り乱れて出入りし、捕まったチンピラ喚いていたりするのが日常茶飯事。圧…

独自概念の洪水！ これが、もうひとつの攻殻！

攻殻といえば、まず攻殻機動隊を連想しますよね。 しますよね。

―――後にアニメ映画となり、世界を震撼させたのは言わずもがな。さて、この原作となる漫画が雑誌掲載されたのは1989年のことですが、実はほぼ同時期に、攻殻作品がもうひとつ世に送り出されていました。それが本作『仙術超攻殻ORION』であります。

しかし、同じ攻殻を関しつつも、両者は全く別物。量子物理学をベースに、クトゥルー神話や日本神話をミックスさせた世界観をもつ本作は、士郎正宗作品の中でも異彩を放っています。仙術や仮学といった魔法のような独自概念が飛び交い、繰り広げられる龍と神様の戦い。ボカンボカン爆発する都市！ 崩れる星！ ハードSFというよりはかなりファンタジックな内容です。そして、欄外の注釈や解説もコレまでに比べると一気に高密度。アナタは生き残れるか！？

このままだと世界滅んじゃうよ！ という壮大なストーリーですが、ノリとしては割とドタバタです。モテるために「銀河支配しちゃえ！」と、邪神を召喚するモーレツ系女子。これに対抗して召喚された神は「止めるんなら星ごとぶっ潰したら早い」。人類の命…

ユカイツーカイ、豪快！ お気楽メカアクション漫画

本作は近未来のニューポート市で繰り広げられる、警察戦車隊と悪党の戦いを描いた作品です。 士郎正宗先生の前著アップルシードで丼ブリ3杯いけるような、筋金入りの理屈フリークの方には言うまでもなくオススメです。

ですが―、本作はそうでない方々、理屈っぽいの苦手、機械苦手。漫画なのに字が多い。読んでると頭痛が痛い。という方にこそ読んで頂きたい。 なぜなら本作は、細かいところは別に読まなくても良いSF漫画なのであります。

さて、諸作品同様に、字が多いのは事実です。戦車やメカ類の細かい仕組みや、よくわからない専門用語がバンバン登場しますが、それよりも際立つのは登場するキャラクター群。主人公のレオナはボナパルト（小型戦車です）にぞっこん。 事件には嬉々として駆けつけ、一言目には「戦車隊だ！」二言目には「どけー！そこの市民っ！」三言目には「さもないと叩っ殺すわよ！」と、実に頼れる熱血警官。（相棒は逆に目立つくらいマトモ） 上司の分隊長も非常に人格者で、「とりあえずぶっ放しゃいい」という素晴らしいモットーで犯人逮捕に努めます。苦情と賠償を引換に次々と手柄を立てる戦車隊…

これは珍味ではない！王道のハードSF漫画だ！

理屈っぽいと、言われることはありませんか？ 私はとってもよく言われます。自覚症状もあります。なにしろ、理屈が理屈であるその事が大好きだからです。秩序や法則が好きと言ってもいいでしょう。何かしらに内在しているであろう秩序を、分析したり、アレコレ推測したりするのが非常に楽しいお年頃なのです。（極論を言えば、対象自体は何でも良いのかもしれません）そう言われるとそうかもなぁ、なんて方もいるんじゃないでしょうか。

―――そんな理屈フリークにオススメなのが本作であります。

本作は、世界的ヒット作「攻殻機動隊」で知られる士郎正宗先生のメジャーデビュー作。いやはや、モノの見事に理屈っぽい！ どこから読んでも理屈っぽい！ 理屈っぽさの金太郎飴みたいなSF漫画であります。

クローンや生体工学などのバイオ技術や、メカトロニクス、ロボット工学に兵器。徹底した理論構築がされているSF技術の数々はヨダレがでるほどの出来栄えです。生物をモチーフにした、メカのフォルムも独特です。実際の科学理論に立脚しているだけあって、読んだだけで頭が良くなったような気さえします。

もちろん近未来都市…