菅田将暉&ヤン・イクチュンW主演! 寺山修司唯一の長編小説の映像化【『あゝ、荒野』監督インタビュー 前編】
(C)2017『あゝ、荒野』フィルムパートナーズ
いわゆる「文豪」ではないけれど、亡くなってもなお多くの人に愛され、読み継がれる作家がいる。戯曲や詩などを数多く遺した寺山修司も、その一人だろう。
彼の唯一の長編小説『あゝ、荒野』(KADOKAWA)には、新次と“バリカン”というプロボクサーを目指す青年が登場する。全く違った出自と個性を持ちながら、ボクシングに惹かれていく2人の物語は、1966年に誕生している。それから50年以上経った2017年10月に、前後篇で初めて映画化されることになった。半世紀以上前の作品をなぜ今、取り上げようと思ったのか。岸善幸監督にインタビューした。
日韓ダブルのバリカンは、言わば今の新宿の象徴
(C)2017『あゝ、荒野』フィルムパートナーズ
岸さんはこれまでTVディレクターとして、バラエティ番組やドキュメンタリー、ドラマなどを手掛けてきた。映画監督初作品は2016年の『二重生活』だが、映像制作は約30年のキャリアを持つ。そんな岸さんであっても、寺山修司作品の監督をするのは「最初は気が引けた」そうだ。
「配給会社の方からこ…