主人公はイケメン料理男子! 美味しい料理が家族の絆を強める!
毎日同じ料理を囲み、同じ家で過ごして同じように眠れば、身体に流れる血は同じにならなくとも深いつながりが生まれる。科学的根拠のない「家族」という言葉はなんとなく心もとなく感じられるが、一緒に過ごした日々は人を絶対裏切らない。積み上げてきた時間は信じられないほど、強い絆を紡ぎつづけるだろう。
小沢真理氏著『銀のスプーン』はイケメン料理男子を主人公とした作品だ。主人公が家族のために料理を作る中で、家族の絆とは何かを見つめ続ける。ほのぼのとした世界の中で時折起こるシリアスな展開がほどよいスパイスとなっている。
主人公の律は、受験間近の高校3年生。中学1年生と小学6年生の弟妹はまだまだ幼くワガママばかりだが、父の葬儀の後、母が入院してしまった。同級生の夕子に料理のアドバイスをもらいながら、弟妹の食事を用意していくうちに、次第に料理に目覚めていく律。だが、母の退院の日、ふとしたことから自分が養子だということを知った彼は家に寄り付かなくなってしまう。どのような経緯で律は養子となったのか?本当の母親はどんな人なのか?友人の励ましや家族との思い出が律を次第に癒し…