おひとりさまに在宅死は可能か?
2012年10月に、41歳という若さで急逝した流通ジャーナリストの金子哲雄さん。最後の著書となった『僕の死に方 エンディングダイアリー500日』(小学館)には余命宣言された後の葛藤や苦しみと共に、生前葬など「死を迎えるための準備」について書かれている。その中で明かされたのは、自宅で最期を迎える「在宅死」を希望したこと。終末期に住み慣れた我が家で、極力普段通りの生活に近い形で死を迎える「在宅死」は“理想の最期”として近年注目されている。
だが実際、「在宅死」を迎えるにはどんな条件や環境が必要なのだろうか。また、家族がいない“おひとりさま”や、家族が遠方に離れている人の「在宅ひとり死」は可能なのだろうか。
『上野千鶴子が聞く 小笠原先生、ひとりで家で死ねますか?』(上野千鶴子、小笠原文雄/朝日新聞出版)によると、家族が近くにいようがいまいが、認知症でも末期のがんでも老衰でも、大抵の場合は「在宅ひとり死」は可能なのだとか。日本在宅ホスピス協会会長・小笠原文雄医師によると、そのために最低限必要なのは「痛みのコントロール」、介護チームと連携して「暮らし…