もしも記憶を消せるとしたら……? 切なさあふれるノスタルジック・ホラー『記憶屋』織守きょうやインタビュー
誰の人生にも、ひとつやふたつ忘れたいことがあるだろう。手ひどい失恋、トラウマになるほどのつらい経験、大切な人を傷つけた不用意なひと言、酔ってさらした醜態。もしも記憶を自在に消せる人物がいたとしたら、あなたはそれを頼むだろうか。それとも、たとえ苦しくとも記憶を消さずに生きるだろうか。 『記憶屋』は、忘れたい記憶を消してくれるという都市伝説の怪人をめぐるノスタルジック・ホラー。2015年に第一作が日本ホラー小説大賞読者賞を受賞し、このたび続編が刊行される運びとなった。
織守きょうや おりがみ・きょうや●1980年、ロンドン生まれ、兵庫県在住。2013年、第14回講談社BOX新人賞Powersを受賞した『霊感検定』でデビュー。15年、『記憶屋』で第22回日本ホラー小説大賞読者賞を受賞。現在、弁護士として働く傍ら小説を執筆している。他の著書に『301号室の聖者』など。
「趣味で小説を書いていた頃、病気によって記憶が消えてしまう話を執筆しました。そこから『意図的に消したい記憶を消せるとしたらどうなるだろう』とストーリーを発展させ、都市伝説と結びつけたのが…