清原果耶さんが選んだ1冊は?「どんな感情のときにも必ずどこかに導いてくれます」
※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2023年8月号からの転載になります。
毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある一冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは、清原果耶さん。 (取材・文=松井美緒 写真=諸井純二)
清原さんは、4年ほど前に映画で詩を書く女の子を演じて以来、詩集を好んで読むようになった。 「詩ってシンプルで、読む人によっていろいろな受け取り方ができる。その余白に惹かれます」 長田弘さんは、なかでも大好きな詩人。この詩集と出会ったのは、1年くらい前のこと。書店でタイトルに一目惚れしたのだった。 「『誰も気づかなかった』と言葉だけ聞くと寂しそう。でもきっとそれだけじゃないんだろうなと」 その通り、長田さんの言葉選び、文字の配置、ページをめくるとき指先に伝わる感触、すべてが好み。何度も読み返す一冊となった。 「私はこの詩集を必要としていたんだと思います。本当に手に取ってよかった。生きているとどうしようもないことばかりだけど、その“どうしようもない”に理由をくれるような。どんな感情…