清原翔が語った『クジラアタマの王様』の魅力――「現実離れした設定なのに、どこか身近に感じられる不可思議さ 」
「マンガも効果音まで読んでしまうので時間がかかる」という清原さんにとって小説を読むうえでいちばん大切なのは読みやすさ。伊坂幸太郎さんの文章は不思議となじみ、坂口健太郎さんに薦められて『砂漠』を読み切って以来、読書のおもしろさにも目覚めた。
「といってもなんでも読むわけではなく、自分が好きだと思ったもの以外はハマれないんです。伊坂さんの作品は、小説を読む前から『アヒルと鴨のコインロッカー』を映画で観ていて、“好きだな”と思っていたことも大きかったかもしれません。気づかないところで緻密に敷かれていた伏線があとから綺麗に回収される、ってタイプの作品が好きなんですよ。ただのどんでん返しじゃなくて、あとから見直したとき、ちゃんとヒントが提示されているものが。『砂漠』は初めて読み切った記念すべき小説というのもあるけど、何度読んでもおもしろかった。それで伊坂さんの小説を読み始めたら、作品同士がひそかにリンクしているものも多くて、楽しくなったんです」
『砂漠』を読み切るのにかかった時間は3カ月。作品世界に入り込むのにも時間がかかってしまうというが、『クジラアタマの王…