清水依与吏「back numberの曲は歌詞だけ見ても、僕たちの思いが伝わるはずだと自負しています」
毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある1冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは、12月9日に5枚目のアルバム『シャンデリア』をリリースするback numberの清水依与吏さん。バンド内ですべての作詞・作曲を手掛ける清水さんに、“言葉”への思いを語っていただきました。
「僕も言葉を扱う仕事をしているので、表現力の精度を上げるために、よく小説を読むようにしているんです。そうしたなかで、『この作家さんは天才だ!』と思ったのが伊坂幸太郎さんでした」
本誌でも紹介している『死神の精度』は、清水さんが初めて手にした伊坂作品。伏線の張り方や予想の斜め上を行く展開、それに不穏な空気を一変させる、空気が読めない人の台詞など、“伊坂節”とも言える巧みな表現力と言葉遣いに大きな感銘を受けたという。
「どの作品にも一気に楽しめる面白さがあるんですよね。それに、なに気ない言葉が心に残り、それが押し付けじゃなく、そっと静かに胸の奥底に深く沈んでいったりする。これってまさに、自分たちが作る音楽の理想形でもあるんです」
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