自殺志願者たちが赤ちゃん誘拐犯に!? 炎上騒動を逆手に取った逆転サスペンス!『四日間家族』川瀬七緒インタビュー
※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2023年4月号からの転載になります。
「これは、悪意を使って悪党を倒す話なんです」 川瀬さんの言葉どおり、『四日間家族』に登場する4人は到底善人とは言いがたい。主人公の夏美は、町おこしにかこつけて田舎町に入り込み、地域の男たちをたぶらかすサークルクラッシャー。あちこちで恨みを買い、今やヤクザに追われる身だ。長谷部は、骨の髄まで男尊女卑が染みついた60歳。経営していた町工場が潰れ、借金まみれになっている。スナックを営む千代子は、強欲な老女。コロナ禍でもこっそり店を開け、常連の老人たちを感染死させたとして遺族から賠償金を求められている。高校生の陸斗は、何も語ろうとしないが、生意気でつかみどころがない。そんな4人がネットで知り合い、集団自殺を企てるところから物語は一気に加速していく。
取材・文=野本由起 撮影=冨永智子
「彼らは悪人とまでは言えないものの、不愉快な人たち(笑)。年齢はバラバラですが、社会に馴染めず生きづらさを抱え、他人に本心を触らせない人たちの集まりです。特に夏美なんて、人を陥れることに喜びを感じる嫌…