この夏の、近くてディープな旅の目的地に―オシャレな写真で感じる、知られざる「台南」の魅力
『愛の台南』(川島小鳥/講談社)
『千と千尋の神隠し』のモデルと言われる場所・九份(首都・台北から日帰りの距離)など、日本人に大人気の旅行先・台湾。本書『愛の台南』(川島小鳥/講談社)のテーマとなっているのは西南部にある台南という都市です。台北駅から新幹線で1時間半から2時間、南部の中心地・高雄からは特急列車で30分ほど。関西空港からは台南空港に直行便が飛んでいます。
土壇場で夏の旅行計画をするために書店の旅行ガイドコーナーを熱心に眺められている方々も多いかと思います。本書は、オシャレな写真とユニークな目のつけどころで台南の世界に一気に引き込んでくれる一冊となっています。
佐渡島の少女を1年間撮り続けた写真集『未来ちゃん』(ナナロク社)が大ヒットとなった写真家・川島小鳥が著者である本書の一番の魅力は、収録されている写真に写っている人々です。著者は台南を象徴する言葉に「開心」(「楽しい」の意)という単語を選んでいますが、訪れた人を楽しませるだけでなく、住んでいる人々たち自身が文字通り心を大きく開いていることが、写真に表れています。
物価が安く、食べ…