「今月のプラチナ本」は、浅田次郎『母の待つ里』
『母の待つ里』 ●あらすじ● 「ふるさとを、あなたへ。」 苦労を背負いながら社会の中で踏ん張って生きてきた、還暦世代の男女3人。家庭も故郷もない彼らに届いた「理想のふるさと」への招待。半信半疑で向かった先で出会った「母」と過ごす時間は、やがて彼…
『母の待つ里』 ●あらすじ● 「ふるさとを、あなたへ。」 苦労を背負いながら社会の中で踏ん張って生きてきた、還暦世代の男女3人。家庭も故郷もない彼らに届いた「理想のふるさと」への招待。半信半疑で向かった先で出会った「母」と過ごす時間は、やがて彼…
時は幕末。「桜田門外の変」はすでに起こってしまい、徳川政権瓦解まで残された時間はあと十年足らず。そんな時代を舞台にした痛快時代小説がまた一つ誕生した。 著者はエンターテインメント小説の王様・浅田次郎だ。 浅田さんなら幕末の動乱を描くにとどま…
【あらすじ】 足軽の子かと思いきや、お殿様ご落胤と判り、あれよあれよと大名となった小四郎、いや、越後丹生山三万石松平和泉守信房。よもやまさかの思いも冷めぬまま初登城を果たしたお殿様を待ち受けていたのは―― 「御尊家には、金がない」 老中からの無…
ちょっと想像してみてほしい。 あなたは小規模、けれども伝統ある会社の社長だ。父親が先代社長だったので後継者に選ばれた。だが、実は四男である上、愛人との間にできた庶子だったりするので、本来ならお鉢が回ってくるはずはなかった。 ところが諸事情重…
平成が「戦争のない時代」として幕を閉じた。新しい令和という時代も、平和を当たり前と思える時代であってほしい。多くの人はそう思っているだろうが、そのために最も大切なことは、きっと想像力を働かせ続けることであるのではないかと思う。戦後74年。戦…
新政府軍の西郷隆盛と幕府の勝海舟。2人の談判によって戦火を免れることとなった江戸城の不戦開城。この史実をベースに、江戸城内での武士たちによる、“もうひとつの戦い”を描いた浅田次郎原作のドラマ『黒書院の六兵衛』が、7月22日よりWOWOWにてスタートす…
歴史小説から現代小説まで幅広く執筆し、多くの読者を魅了し続けている作家・浅田次郎。2017年9月15日(金)に西田敏行主演で、浅田次郎ドラマスペシャル『琥珀』(テレビ東京)が放送される。これまでも、浅田次郎と西田敏行のゴールデンコンビは、『角筈に…
8月ということもあって沢山の戦争関連の物語を読んでいますが、この浅田次郎作品は、スケールという点で、他から秀でているのではないでしょうか。舞台は終戦直前の日本。北海道の先、オホーツク海に浮かぶ占守島(シュムシュ)。ソ連と目と鼻の先のこの凍土…