船越英一郎さんが選んだ1冊は?「渡辺くんのすべてが詰まった一冊。彼と友達になった気持ちになりました」
※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2023年7月号からの転載になります。
毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある一冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは、船越英一郎さん。 (取材・文=倉田モトキ 写真=TOWA)
「渡辺くんは、僕がこの世界に入った頃から常に一歩先を走っているような存在でした。なぜか共演する機会に恵まれず、やっと叶ったのが約10年前。深く言葉を交わさなくても、芝居で心が通じあえたのを覚えています。その後、お互いギラギラした年齢も過ぎ、そろそろ杯を交わしながら、いろんなことを腹を割って話したいなと思っていたのに、残念ながら先に旅立たれてしまって……」 そんな時に手にしたのがこの本だ。 「聞きたかったことが全部書いてありました。なぜ役者になったのか、どんな壁を乗り越えてきたのか、大切にしているものや役者としての夢は――。優しい語り口調で書かれた文章も素敵で、まるで目の前で会話をしているような気持ちになり、読んでいて目頭が熱くなりましたね」 感銘を受けたのは、渡辺さんが結婚式…