毛皮のマリーズ、最後のアルバムはビートルズゆかりのスタジオで収録
先日、解散を発表したバンド、毛皮のマリーズのフロントマン・志磨遼平さんが愛読する一冊。それは早川義夫『ぼくは本屋のおやじさん』(晶文社)。
「早川さんはジャックスというバンドをやっていらした方で、23歳で引退して、本屋を開いて、隠居しちゃうんですよね。なんていうか、非常にシンパシーを感じまして。あるんですよ、僕にも老成への憧れが」と志磨さん。
とはいえ、この本を読むと、「本が好きだし楽そうだから」と本屋を開いたはずが、早川さん、ちっとも楽そうじゃない。
「“立ち読みは是か非か”とか一個一個真面目にぶつかるじゃないですか。生きるのが上手じゃないというか、順応して生活を営めないというか、胸を張って言うことでもないですけど、お気持ちはわかりますと」
では23歳の頃の志磨さんはどんなだったのかとたずねれば「クソでしたねえ」と振り返る。
「高円寺のアパートに引きこもって、曲をつくっては捨て、つくっては捨て……自分でも未熟なのがわかるから発表したくはないわけです。早く歳をとりたいという思想はそういう時に楽なんですよ。若いうちになんとかしなきゃと焦らずに済む」
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