ベストセラー『困ってるひと』の続編は、いとしきシャバをサバイバル【大野更紗インタビュー】
大学院生としてミャンマー(ビルマ)難民の研究支援に奔走していた2008年、突然原因不明の難病を発病。過酷な闘病生活を命がけのユーモアをもって綴ったエッセイ『困ってるひと』が大きな反響を呼び、ベストセラーに。『シャバはつらいよ』は病院を出て自立して生きようと格闘する日々を綴った続編。タイトルはもちろんあの映画から。
大野更紗 おおの・さらさ●1984年、福島県生まれ。上智大学外国語学部フランス語学科卒。在学中にビルマ難民に出会い、NGO活動に没頭。大学院に進学した2008年、自己免疫疾患系の難病を発病。1年間の検査期間、9カ月間の入院治療を経て退院するまでを綴った『困ってるひと』で作家デビュー。12年「(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞」受賞。
「『男はつらいよ』、すごく好きなんです。通しで3周観て、最近もう1周するかと考えてるんですけど、たぶんやり始めると止まらなくなるので修士論文を書き終えてからにしようと(笑)」 知性とユーモアは、困難にあって困難に飲み込まれないためのこの人の武器だ。崖っぷちの苦境を時に笑いに変えながら、わか…